第41章 妄想するな

羽鳥紅蓮の声は、感情の起伏が一切ないほど淡々としていた。

「俺が帰ろうが帰るまいが、お前に関係あるのか?」

美女がかっとなって言い返す。

「レン、いちおう私たち、子どもの頃から一緒に育ったじゃない。そんな冷たい言い方、する?」

「じゃあ、どう言えばいい?」

そう言いながら、紅蓮は相変わらず微動だにしない『誰かさん』へ一瞥を投げ、最後に入口を指さした。

「橘郁。出口はあっちだ。お引き取り願う」

橘郁は地団駄を踏み、バッグを掴んで出ていこうとした。だが、ドアに近づいたところで、ようやく気づく。

この部屋には、もう一つデスクがある。

そのデスクの向こうに座っていたのは、一人の女だ...

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