第50章 プロポーズ

羽鳥三郎はふいに振り返り、千葉椿を見た。瞳の奥に、からかうような色が混じっている。

「お前が望んだことだろ」

「は? あたしが何を望んだっていうの?」

千葉椿はぱちぱちと大きな目を瞬かせ、彼を見上げた。

羽鳥紅蓮は答えない。ただ口角だけが上がっていて――今、機嫌がいいのが丸わかりだった。

車はそのまま走り続ける。

椿は、だんだんおかしいと気づき始めた。胸の奥がざわついて、落ち着かない。

「紅蓮、いったいどこに連れてく気?」

「いい場所」

「いい場所ってどこよ……」

椿の不安はさらに膨らむ。

「まさか地下の闇市場とかに連れてって、臓器取って売る気じゃないでしょうね?」

...

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