第63章 千葉佳正を生き地獄に落とす

南雲いずみは首を横に振り、口元の血をぺろりと舐め取って笑った。

「いらない」

千葉椿は羽鳥紅蓮に連れられ、別のクルーザーへ移された。

「羽鳥紅蓮、どうして私がここにいるってわかったの?」

紅蓮は振り返り、甘やかすように、そして痛ましそうに椿の頭をくしゃりと撫でる。

「すぐわかる」

ホールを抜け、階段を下りて船底の船室へ。

そこで椿が目にしたのは、床に転がる男が二人。

千葉佳正は椿の姿を見た瞬間、顔色を変えて叫んだ。

「ツバキ、ツバキ! 俺が悪かった! 頼む、許してくれ! 許してくれ!」

縄でぐるぐるに縛られ、芋虫みたいに転がされている千葉佳正を、椿は氷みたいな目で見下ろし...

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