第64章 私が嫌だと言ったら?

こうして千葉グループは、再び千葉椿の手に戻った。とはいえ椿は、それを自分で切り盛りする気はさらさらない。正直いまの彼女は、絵を描くことと投資のこと以外、ほとんど知らない。会社経営なんて、できないし――学ぶ気もない。

「外でご飯にしよ!」

椿がそう提案すると、羽鳥紅蓮は首を横に振った。

「いい。すぐ玉城崇が持って上がってくる」

言い終えるか終えないかのうちに、コンコン、と執務室の扉が叩かれた。

椿は慌てて紅蓮を押しのけ、何事もなかった顔でソファに腰を下ろす。

その様子に紅蓮は小さく笑い、

「入れ」

玉城崇が扉を開けて入ってきた。両手には大きな袋がいくつもぶら下がっている。彼はそ...

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