第92章 中毒

電話を切った直後、羽鳥紅蓮は自分でも意識を保てず、そのまま倒れた。

羽鳥紅蓮から救援の連絡を受けた玉城三吾は、すぐさま部下を引き連れて現場へ向かった。

だが、羽鳥紅蓮の自宅に到着してみると、そこには人影が一つもない。

玉城三吾は鍵師まで連れてきていた。さらに背後の護衛たちへ、低い声で命じる。

「全員、防毒マスクを着けろ」

三郎様から、電話口で真っ先に念を押されていたことだ。

――それでも。

扉が開いた瞬間、玉城三吾は言葉を失った。

羽鳥紅蓮の邸宅は、1階のホール一面が白く濁り、毒ガスの煙がもやのように滞留していたのだ。

玉城三吾たちは防毒マスク越しに息を整えながら室内へ踏み...

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