第11章

「温井部長に、よその秘書をやらせるって? 頭おかしくなったんじゃないの!?」と、すぐさま反論が飛んだ。

「うちの温井部長は仕事もできるし、若くて綺麗で、実績だって申し分ないんですよ。こんな人材、どこの社長だって喉から手が出るほど欲しいに決まってるじゃないですか! 一回、人材市場に放り出してみてくださいよ。ヘッドハンティング会社なんて、匂いを嗅ぎつけた瞬間、我先にって食いついてきますから!」

温井知絵は、ただ笑うだけで何も言わなかった。

実際、彼らはヘッドハンターの嗅覚を甘く見ている。たぶん十日ほど前には、すでに彼女のもとへ電話が来ていた。遠回しに、今後のキャリアの予定を探るような内容だ...

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