第119章

温井知絵は今ほんとうに……完全にフリーズしていた。

高橋夏希は白石郁美のことを知らない。もちろん、温井知絵の表情の変化にも気づかない。

二手に分かれた一行が、同じエレベーターに乗り込む。

温井知絵たちは前方へ。

しばらくして、背後から会話が流れてきた。

「東堂家の若様、いつ着くの?」

「陸川おばさんが、11時半くらいって言ってた。もうすぐじゃない?」

「本来なら向こうが迎えに来るべきでしょ。女の子を先に待たせるなんて。東堂家が裕福なのは分かるけど、白石家だって負けてないのに……ちょっと偉そうすぎない?」

「いいの。どっちが待っても同じだし、私、気にしないよ」

「それ、ほんと...

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