第12章

温井知絵は、九条花奈が言い終えるのを待った。

見下ろす視線は澄みきっていて、ひどく冷たい。

「で、どこが高貴なの? 五目並べすらまともにできないバカな頭を持ってるところ? それとも、私のお下がりを拾って宝物みたいに抱えてるところ? 私がやりたくない仕事を引き受けただけで、いい気になってるところ?」

「『私たちの界隈の男と女』って……誰があんたと『私たち』なの」

そして、口調だけはやけに穏やかなまま、吐く言葉は毒そのものだった。

「毎日まともなこともせず、獣みたいにあちこちでヤりまくってばかり。こんな生臭くて汚らわしいケダモノの巣になんか、私は絶対に入らない。あんたと白瀬冬弥は、そん...

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