第127章

ダメ!

もう惑わされちゃいけない!

「じゃ、先に帰るね。月曜に」温井知絵は後ろめたさをごまかすようにくるりと背を向け、逃げるみたいにその場を離れた。

夏というのは、恋愛脳ウイルスの流行期だ。油断も隙もない。

数歩進んでから、高橋夏希たちに「早く行こ!」と手招きする。その必死さは、背後に大きな犬でも追いかけてきているみたいだった。

小さな院を出ようとしたところで、背後からまた東堂彦一の声が飛んでくる。

「待て」

全員が足を止めた。

東堂彦一はゆっくりと歩み寄り、深く澄んだ目で温井知絵を見据える。

「この村でこうして出会えたのも、天の巡り合わせってやつだろ。俺も暇でね。どうせ座...

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