第131章

温井知絵「……」

高橋夏希「……」

唐沢晴海「……」

――通報したの、あいつ?

そう思った瞬間、温井知絵は腑に落ちた。

白瀬冬弥がここにいる。それだけで、江崎千恵がもう彼に話を通している証拠だ。

江崎千恵は果樹園まで嗅ぎつけ、九条家の母娘がL市に来ていると知って、いくつかを察したのだろう。だから面白がって見物に来た。ついでに白瀬冬弥まで連れてきて、火に油を注いだ。

「知絵」

白瀬冬弥の声はやけに優しい。

彼女の表情が愕然から一瞬で無感情へ落ちたのを見て、胸の奥がつかえたみたいに痛んだ。

九条夫人は白瀬冬弥の姿を見た途端、救世主でも見つけたように叫んだ。

「冬弥! 花奈を...

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