第15章

伊藤良国が横で言った。

東堂彦一は伏し目がちに、画面の中の女を見つめる。黒のビジネススーツ。艶やかで、切れ味があって、自信に満ちている。堂々としていて、骨の髄まで誇り高い。

――ここ最近、何度か会ったときの彼女の姿が、勝手に脳裏へ浮かんだ。

みっともなくて。落ち込んでいて。壊れかけていて。

そして今日……必死に媚びるふりをしながら、屈辱に耐えきれず、逃げるように去っていった姿。

胸の奥に、じわりと苛立ちが滲む。

今日の言い方は……少し、意地が悪かったか。

……

夜9時過ぎ。目を覚ましてキッチンで麺を茹で、ひとりで食べていた温井知絵のスマホが、ぴろん、ぴろんと鳴った。

メッセ...

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