第17章

知絵はメッセージを開いた。

伊藤良国からの返信は一通。

金曜、若様とアマンホテルでクライアントに会います。温井さん、スーツを届けに来られませんか。

「え……?」

頭の中のクエスチョンマークが、天辺から溢れそうだった。

東堂彦一が、また会いたいってこと?

しかもホテル。

しかも、人目の少ない――大声を出しても、殺人放火でも、誰にも気づかれなさそうなホテル。

東堂社長……な、何をするつもり?

知絵は勝手に想像するのが怖くて、できなかった。

別に、チャンスが目の前に来たのに尻込みしているわけじゃない。御曹司の気分がまるで読めないのだ。自分は仕事がしたいだけで、面倒なものに巻き込...

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