第170章

昨夜の豪雨は、夜半を過ぎてようやく収まった。

午前1時50分。

温井知絵は半分意識が沈んだ状態から目を覚ました。疲れすぎて、指一本動かしたくない。

表情には、満ち足りた気怠さが滲んでいる。

肌はべたついて、まるで糊でも塗られたみたいだ。少し身じろぎするだけでシーツまでくっついて持ち上がりそうで、不快感が増す。

――シャワー浴びたい。

知絵は芋虫みたいに、もぞもぞと身体をよじった。

「動くな」

胸元に回されていた腕が、ぎゅっと締まる。熱いキスが耳たぶの下に落ちた。

「どこへ逃げる気だ。ここはお前の家だろ」

温井知絵の頬がかっと赤くなる。逃げるつもりなんてない。

「……お風...

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