第176章

みんな、状況が飲み込めずにいた。

玄関先。

葉山真理が中年の女性を迎え入れる。

森下澄音はそのまま奥へ進んだ。

そしてほとんど一目で、ダイニングに座る東堂彦一を見つけてしまう。あの男は、とにかく目立つ。見ないふりなど不可能だった。

澄音の笑みが、わずかに引きつる。

――知絵、もう彼氏ができたの?

しかも、あんなに整った男……。それじゃあ、うちの息子はまた傷つくじゃない。

「澄音、ごめんね。今日はお客さんが来てて、言いそびれちゃって」

葉山真理はどこかぎこちない顔で、澄音の手を引いてソファへ座らせた。

この数日、彼女たちはずっと電話でやり取りしていた。

森下澄音は真理の元...

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