第186章

「お父さん、お母さんと一緒に帰ってきたって聞いて……これ、わざわざ人に頼んで探してもらった蘭なんだ。きっと気に入ってくれると思う。ほら、見て」

「出ていけ! うちはもう、お前とは何の関係もない!」

……

温井知絵はその場で立ち尽くした。

外から聞こえてくるやり取りに、頭の中が完全に真っ白になる。

出ていって外のバカと向き合うか、それともドアを閉めて父ごと締め出すか――その二択の間で、数秒だけ迷った。

結局、どっちも選ばない……もう、まとめて滅びろ。

彼女は部屋の奥へ引き返し、キッチンへ向かいながら言う。

「思い出した。うち、スイカある」

逃げ足だけは速い。

葉山真理も「も...

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