第191章

寝室と客間は、壁一枚隔てているだけ。

心が、じわじわと冷えていった。

闇に引きずられて地平線の向こうへ沈んでいく光みたいに、すべてが消えていく……。

温井知絵はシャワーを浴び、ベッドに横になって眠る準備をした。

目を閉じて呼吸を整える。けれど眠りに落ちかけるたび、頭の中も胸の奥も、息づかいの隙間にまで――あの色男が、じわじわと入り込んでくる。

苛立ちに耐えきれず、彼女は寝返りを打った。

そして自分に言い聞かせる。もう考えるな。明日から座右の銘は「鉄の心」だ。

そう、そうだ。

顔もいい、匂いもいい、何度か可愛がっただけの男じゃない。そんなので悩んで消耗してたまるか。

寝る!!...

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