第218章

温井知絵は、思わず彼のスマホに視線をやった。

画面は上向き。

表示された名前は、嫌でも目に入る。

エヴリン……。

朝っぱらから電話してくるなんて、昨夜の「旧交を温める」だけじゃ足りなかったらしい。

東堂彦一がスマホを手に取る。こちらを見た気配に気づいたのか、彼がふっと目を上げた瞬間、温井知絵は「見てませんけど?」とでも言いたげに顔を背けた。

彼の眉間がわずかに寄る。

「温井秘書、代わりに出ますか?」

そう言って、スマホを差し出してくる。

温井知絵「……」

彼女は朝食の皿を持ち上げると、振り返りもせずに外へ出ていった。

東堂彦一は、彼女の冷えた横顔に小さく笑う。だが、その...

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