第22章

「アイツ、まさか騒ぎに来たんじゃ……!」

「はっ。騒ぐ面の皮があるの? 白瀬冬弥の奥さん気取りってわけ?」

「両家で婚約発表までしてるのに、このタイミングで来たって恥さらしでしょ」

「でもさ、彼女は何も悪くなくない? ちゃんと付き合ってたのに、男が薄情で別の女と結婚するってだけで、なんで彼女のせいになるのよ」

……。

招待客たちは好き勝手に囁き合う。

この場の大半は、面白がって温井知絵の醜態を見に来た連中だった。ほんのわずかに筋の通ったことを言う者がいても、すぐに言い返されて黙らされる。

温井知絵の姿が近づくのを見た瞬間、九条花奈は顔色を変えた。まるで幽霊でも見たみたいに。

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