第33章

小沢諒はうなずいた。

「ええ。社長のほうで手が足りてるか見てきてって頼みました。すぐ戻ってきますよ」

東堂彦一はソファにもたれ、何か考え込むように黙り込んだ。

翌朝。

温井知絵は早く目が覚めた。

安部美波がまだ眠っているのを確認すると、先にレストランへ降りて朝食を取る。昨夜はヨットで小さなケーキをひと切れ食べただけだ。空腹で、夜中の3時にはもう外へ食べ物を探しに行きたくなっていたくらい。

お腹を満たしても、まだ時間はたっぷりある。彼女はホテルの中をぶらぶら歩いた。

このホテルは、どこか懐かしい南国の空気に満ちている。

熱帯の庭は生命力がむせ返るほどで、背の高いヤシの木が風...

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