第38章

全員の視線が、男へと吸い寄せられた。

通路を塞いでいた連中は、慌てて左右へ散る。

この工場の人間は、グループ会社の新任社長を直接見たことがない。だが彼が足を踏み入れた瞬間、生まれつきの威圧感が場を制圧した。

東堂彦一は険しい顔のまま会議テーブルの中央まで歩き、低く問う。

「人は見つかったのか」

視線が、居並ぶ顔をなぞっていく。

室内は一斉に息を殺した。とはいえ、誰かが答えねばならない。工場のトップである工場長が口を開くのが筋だ。

皆の目が、いっせいに木下昭輝へ向いた。

東堂彦一の涼やかな桃花眼も、同じように彼を捉える。怯えたのか、それとも社長の整いすぎた顔立ちに飲まれたのか。...

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