第39章

東堂彦一が、薄く笑った。

覗き込めば吸い込まれそうなほど深い瞳。底が見えない。

「そこまで自信があるのか。俺が彼女を見つけられないと?」

赤羽邦昌はもう一度腰を下ろした。声には、押し殺した苛立ちが滲む。

「社長、私を辞めさせたいなら、はっきりそう言えばいいでしょう! こんな身に覚えのない罪まででっち上げる必要がありますか!」

「いま聞いているのは、温井秘書の行方だ」

バンッ、と机を叩く音が会議室に炸裂した。

東堂彦一の表情が、刃物みたいに切り替わる。さっきまでの深淵は消え、鋭利な殺気だけが光った。

赤羽邦昌の瞳孔が揺れた。

だが次の瞬間には、何を疑われても平気だと言わんばか...

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