第47章

「若様、温井さんを助けに行きましょうよ」

仕切り板がすっと上がるなり、伊藤良国は若様に叱られるのも構わず、焦ったように言った。

小沢諒は伊藤おじさんほど肝が据わっていないが、それでも小さく同調する。

さすがに、彼女をひとりぽつんと座らせて、見世物みたいに囲まれたままにはできない。

東堂彦一はまぶたを持ち上げ、二人を淡々と見やる。

「助けたいなら助けろ。俺が悪者みたいな言い方はやめろ」

――許可が出た。

伊藤良国はすぐさまハンドルを切り、車をUターンさせる。

だが温井知絵のところへ寄せる前に、白いBMWが一台、先に滑り込んでいった。

路肩に停まり、降りてきたのはアンゴラレッド...

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