第64章

東堂彦一は電話に出た。

同時に、年功を盾に派閥を作って好き放題していた幹部連中へ、ひらりと手を振る。どこか気だるげで、投げやりにも見える仕草。

数人は命拾いしたとばかりに、慌てて部屋を出ていった。

――あと一秒でもここにいたら、呼吸器が必要になりそうだ。

そんな顔をして。

彼らは肝を冷やして気づき始めていた。ずっと海外にいた社長は、ただ目立たないようにしていただけで、裏では力を蓄え、牙を研いでいたのだと。

「顔がいいだけ」「家の後ろ盾と資源で海外でうまくやってるだけで、実力は大したことない」

少し頭を使えば、簡単に手玉に取れる――そう思い込んでいた。

結果はどうだ。

叩かれ...

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