第66章

深夜の道路は、それでも車の流れが途切れない。

温井知絵は窓を少し開けていた。夜風が車内へ滑り込み、ひんやりした空気の奥に、どこからか運ばれてきた花の匂いが混じる。両脇の街灯は、くねくねと先へ先へ――終わりが見えないほど続いていた。

東堂彦一に嘘はついていない。本当に、祖母の家へ向かっている。

本来なら夏希が代わりに撮るはずだった動画も、考えた末に自分の口で話すことに決めた。

たぶん……これが最後の「戦い」になる。

白瀬冬弥も、もう疲れている。知絵にはそれがわかった。

願うのは、彼女が戻るまでに彼が腹を括ってくれること。そうすれば、ようやく本当に終われる。

九条花奈と九条家がカッ...

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