第67章

葉山梅子はそれを聞くなり、手にしていた干物をぎゅっと握りしめた。

「だめだよ。洛川おばあさんが当時、知絵を私に託したとき言ったんだ。あの子に望むのは大金持ちになることじゃない、ただ無事でいてくれればそれでいいって」

「でも、今は無事じゃない!」葉山真理は目を赤くする。「私だって悔しいよ。大事に育てて、ちゃんとした子にして、花みたいにいい子なのに……あの子は私の命だよ。なのに今、結婚があんなことになって、どれだけ踏みにじられて……結局、うちに後ろ盾も力もないからでしょ! もしあの子が洛川家の子だって知られてたら、あんな真似できた? 江崎千恵なんて、媚びへつらうのに必死だったはずだよ!」

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