第68章

温井知絵は、表情ひとつ変えなかった。

そのまま横になり続ける。

しばらくして、あの男は通話を終え、車へ戻った。

車は彼女の斜め向かいに停めたまま。乗り込むと、缶飲料を取り出して、のんびりと口をつけている。

ぱっと見、異常はない。

――三日前の同じ時間帯、深夜に星野市を出て。三日後の同じ時間帯に、また星野市へ戻る?

ふん。そんな偶然、信じるわけがない。

三十分ほど経っても、温井知絵が動かなければ、相手も動かない。

確信した。

いったい、誰の差し金だ。

九条家が放った殺し屋――そんな線もある。

だが、殺し屋ならこの三日、なぜ手を出さない。

疑問が次々に湧き、判断がつかない...

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