第77章

彼は笑っている。口調だって妙に親しげだ。

なのに温井知絵は、頭皮がぞわぞわと粟立っていく。

心の底が、すとんと落ちた。

――終わった。

この反応。寝不足のせいで浮いたくっきりした隈。

それが全部、彼が――見てしまったのだと告げている。あのメッセージを。

温井知絵は口元に貼りつけた笑みを固めたまま、目を合わせる勇気が出ない。視線を落とし、気まずそうに小さく咳払いする。

「……寝られました。えっと、昨日ちょっとお酒を飲んじゃって。もう、ふらふらで、視界が二重に見えるくらいで……あはは」

東堂彦一の表情が、すっと冷える。

笑みは完全に消えた。

「酒は言い訳にならない」

その目...

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