第7章

 湊が私たちの後を追ってきた。

 声よりも先に足音が聞こえた。「麻衣、まだ話は終わってないぞ――」

 結城家の門の前に黒い車が停まった。ドアが開き、修平が降りてくる。

 私は躊躇うことなく、彼に向かってまっすぐ歩き出した。

「迎えが来たわ」肩越しにそう告げる。「もう終わりよ」

 湊の声が険を帯びた。「またあいつか? お前は本当に、家族よりも赤の他人を選ぶっていうのか?」

「彼は他人じゃない」私は歩みを止めなかった。「それに、あなたは一度だって私の家族だったことなんてないわ」

 湊が追いついてきた。彼の手が私の手首を強く掴む――昔と同じように。彼が会話の主導権を失いそうになったと...

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