第7章

瀬川穂乃視点

翌朝、人里離れた隠れ家 にて。

ゆっくりと目を開けると、私は心地よいベッドに横たわっていた。

部屋は小さいけれど居心地がよく、カーテンの隙間から陽光が差し込み、壁にはシンプルな絵が飾られている。修平の豪華な屋敷とはまったく違い、この場所は我が家のように感じられた。

微かな花の香りが空気に満ち、安全と安らぎをもたらしてくれる。

「目が覚めたかい」

はっと顔を向けると、ベッドの傍らに一人の男性が座っていた。

その顔をはっきりと見た瞬間、全世界が時を止めた。

「律?」

私は震える手を伸ばし、信じられない思いで呟いた。

「本当に……本当にあなたなの?...

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