第4章

 重厚な両開きの扉が、誰かの荒々しい一蹴りで叩き破られた。凄まじい衝撃に、枠ごとびくりと震える。

 全装備の戦術部隊が雪崩れ込み、部屋は一瞬で制圧された。

 兄の颯斗は、周囲に目もくれず真っすぐ私へ向かってくる。

 私の身体に広がるおぞましい蕁麻疹。口元にべったり潰れたケーキ。傷だらけで、血がまだらに残る惨めな姿。それを見た瞬間、いつも冷え切っていた兄の顔が、引き裂かれるような苦痛に歪んだ。

 颯斗は即座にスーツの上着を脱ぎ、震える私の身体へきつく巻きつける。

「助けろ。今すぐ!」

 背後の外傷救急の医師へ怒鳴りつけた声は、極限まで押し殺した恐怖で震えていた。

 救急バッグを背...

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