第6章

 翌朝。坂田家の医療区画、その窓の隙間から射し込む陽光は、刃物みたいに斜めに突き刺さってきた。

 看護師が手を滑らせ、金属トレーを倒す。甲高い破裂音が部屋を引き裂いた。

 びくり、と全身が跳ね、私は反射的に毛布の下で身を丸める。冷や汗が一気に背中を濡らした。

 汚れた床に顔を押しつけられ、窒息しかけながら、腹の底を揺らす重低音と嘲りに鼓膜を裂かれる――あの感覚が、また見えない鎖になって喉元へ絡みつく。

「カーテンを閉めろ」

 低く、氷みたいに冷たい声が飛んだ。

 颯斗がベッド脇に座っていた。目は血走り、そのまま身を乗り出して私の手を握る。

 指の関節は見るのも怖いほど腫れ、手の...

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