第4章

 謎のメッセージを受け取った翌朝、郵便受けに上品な招待状が入っていた。

「橘絵里奈博士・心理相談クリニック。黒木拓哉様のご依頼により、重要な不動産売却に関する心理カウンセリングの日程調整をさせていただきます」

 私は拳が白くなるほど招待状を握りしめた。

 彼は、私が狂っていると証明したいのだ。

 計算高い男だ。もし私が精神不安定と診断されれば、彼は私の主張をすべて無効にできる。精神的におかしいと判断された人の証言なんて、法廷では相手にされないからな。

「賢いけど、詰めが甘いわね」

 私は着替えながら呟いた。

 あっちが心理戦を仕掛けてくるつもりなら、乗ってやろうじゃないの。

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