第5章
絵里奈から松也の一件を聞かされた後、私はアパートで全ての証拠を整理していた。
今夜は、黒木拓哉と三浦美波の婚約パーティーだ。
スマホに保存された膨大なデータを眺めながら、私の唇に冷ややかな笑みが浮かぶ。
「せっかくのお祝いなんだから、私も祝福に行かなくちゃね」
帝国ホテルの大宴会場は、煌びやかな光に包まれていた。帝都の社交界を牛耳る五百名もの名士たちが、シャンパンとオードブルを片手に、この「黄金のカップル」の結ばれを祝っている。
私が真紅のドレスを纏って入り口に姿を現すと、会場全体が静まり返った。
まるで水面に石を投げ込んだかのように、波紋は瞬く間に広がっていく。
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