チャプター 176 チャプター 176

ジャクソン

廊下はまだ完全には目覚めきっていなかった――照明の半分はチカチカと点滅し、子どもたちは袖に顔をうずめてあくびをし、ロッカーは金属の雷みたいな音を立てて開く。ロッカーに着くころには、俺のカフェインもまだ全開じゃない。それでも指は勝手に動いて、体が覚えた番号を回していた。

いつもどおりの朝。

いや……今の「いつもどおり」って、いったい何を指すんだろう。

教科書を上段に押し込んだ、そのときだった。何かを感じた――腰に回る手。指がほどよく食い込んだ瞬間、脳が停止する。

振り向くまでもない。誰かなんて、分かっていた。

マライア。

彼女は少しだけ俺にもたれ、唇の端をゆっくりと、遠...

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