チャプター 239 チャプター 239

ノア

ロッカールームには汗と洗剤の匂い、そして用具係が何度手を尽くしても決して抜けきらないスパイクの、あの鼻につくゴムっぽい匂いがこびりついていた。

いつもどおり、やかましい。

ヘルメットがロッカーにぶつかってガンガン鳴る。音楽のことで言い争っているやつがいる。別の誰かは、別に面白くもないことにやたら大笑いしている。

いつもの光景。

ただ、最近の「いつも」は……仮のものみたいに感じられた。

俺はベンチに腰を下ろし、練習用のソックスをぐいっと引き上げながら、生地に縫い付けられたリッジヴィルのロゴを見つめていた。まるで覚え込まなきゃいけない何かみたいに。

あと数試合。

それだけだ。...

ログインして続きを読む