チャプター 286 チャプター 286

ジェッサ

学校に足を踏み入れた瞬間から、何かが変だとわかった。

ただ、わかりやすい形じゃない。

ひそひそ話もない。

じろじろ見られることもない。

聞こえるか聞こえないかの悪口もない。

リッジビルのあの手の空気は、ようやく静かになっていた。

でも、これは――

これは違う。

もっと……微妙な、引っかかりだった。

マライアがロッカーのところに寄ってこない。

朝が早すぎるって皮肉の一つでも送ってこないし、眠いって文句も言ってこない。

そもそも、いない。

それがおかしい。

だってマライアは、いつだってそこにいるのに。

考えすぎないようにした。

遅れてるだけかもしれない。

...

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