チャプター 6 チャプター 6

ノア

口から言葉がこぼれ落ちた、その瞬間に――やらかした、とわかった。

「ドアくぐるとき気をつけろよ。太い太ももが挟まって抜けなくなったら困るだろ」

冗談のつもりだった。ジェッサ・ロンバルディと俺が延々やり合ってきた、あの応酬の中のただの一発。彼女をムッとさせて、あの目に火が灯るのを見たかった。俺が密かに煽るのが好きな、あの火を。

だが彼女の動きが止まった。頬に赤みがじわりと広がっていく。抱えていた本を握る指が、白くなるほど力が入る――そう、俺は一線を越えた。

それなのに、賢く黙るどころか俺は追い打ちをかけた。にやりと笑って、冗談だと取り繕って、周りの連中に笑わせた。

だって他にど...

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