チャプター 79 チャプター 79

ノア

目覚ましが鳴ったのは六時十五分。いつもと同じ時間だ。けれど、久しぶりに「眠いから」ではなく、「起きたくないから」スヌーズを押した。

普段なら火曜の朝は楽だった。決まった流れがある。

バッグをつかんで、ロッカーの中みたいな匂いがいちばん薄いパーカーを引っかけ、それからジャクソンの家へ向かう。あいつは玄関先で待っていて、まるで狂人みたいにボウルからそのままシリアルを食っている。スパイクはもうリュックにぶら下がっている。二人で学校まで乗っていって、練習の話をして、先生のことを茶化して、遅刻しそうじゃなければコーヒーにも寄る。

でも今朝は……ただ座ったまま、スマホを見つめていた。親指はジ...

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