第5章

病院の外では依然として膠着状態が続いていたが、ベッドにいた兄が突然もがきながら身を起こし、看護師に支えられながら、弱々しく歩み出てきた。

「やめて……妹を、追い詰めないでくれ……」

彼はか細い声で言った。

「妹は小さい頃から障害を抱えて、もう十分苦しんできたんだ……」

兄は苦しそうに私を見つめる。

「全部、俺のせいなんだ。俺がちゃんと面倒を見てやれなかったから。唯ちゃんの健康は、俺の命より大事なんだ……」

彼の言葉はそこにいた全員の心を動かし、記者はさらに声を詰まらせて言った。

「見ましたか? あなたのお兄さんは、どれだけあなたのことを想っているか! この期に及んで、ま...

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