第100章

松野博はとっさに沈村薫子を腕の中へ抱き寄せ、庇うようにきつく抱きしめたまま、床にへたり込んで見る影もない沈村芳明を見下ろす。視線は冷たく、まるで道端の塵でも見るみたいだった。

「沈村芳明。お前のいい日は、もう終わりだ」

先頭に立つ警官が一歩進み、逮捕状を掲げる。声は威厳に満ち、氷のように冷え切っていた。

「沈村芳明。あなたは十五年前の殺人事件、巨額横領事件、ならびに海川グループ資産の不正流用の容疑で逮捕します。加えて、雾山リゾート観光開発プロジェクトにおいて、契約書の偽造指示、贈賄など複数の容疑が確認されています。署まで同行してください」

沈村芳明は床に崩れ落ちたまま、虚ろな目で一点...

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