第19章

専用エレベーターでそのまま68階へ。

扉が開いた瞬間、外で待ち構えていた周防利幸がすぐに歩み寄り、隙のないビジネススマイルを浮かべた。

「沈村さん、お待ちしておりました」

「周防さん」

沈村薫子が軽く会釈すると、周防は彼女を中へ促しながら声を落として説明する。

「申し訳ございません。松野様は本来、14時から15時までお時間を確保していたのですが……20分ほど前、ウォール街のほうで緊急の越境M&A案件が入りまして。現在、会議室で国際ビデオ会議中です。もう少々お待ちいただくことになりそうで……お手数ですが、社長室で少しお掛けになってお待ちください」

「大丈夫です。お仕事優先で」

薫...

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