第28章

沈村薫子は、頭の中に水を吸った綿でも詰め込まれたみたいだった。重い。しかも二日酔い特有の、鈍くこびりつくような痛みまである。

どうにか瞼をこじ開け、がばっと身を起こす。服はきちんと着たまま。乱れた様子もない。

彼女はあたりを見回した。白と黒とグレーで統一されたミニマルな室内。無機質で硬質な家具のライン。大きな掃き出し窓の向こうでは、雨はもう上がっていて、朝の淡い光が差し込み始めていた。

……ここ、松野博の寝室?

しかも自分、松野博のベッドで寝てたの?

その事実に気づいた瞬間、心臓がどんっと跳ね、危うくベッドから転がり落ちそうになる。

昨夜の記憶が、ちぎれたフィルムみたいに脳裏でば...

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