第62章

彼女は床にへたり込み、頬を押さえたままわんわん泣き出した。

「嫌よ……納得できない! 一樹はもう待てないの。先生も、状態がどんどん悪くなってるって……適合が見つからなかったら、間に合わないって! あの子は一樹の実の姉でしょう? どうして、そんなに冷たくできるの……!」

泣きながら、泉原順子は勢いよく立ち上がり、外へ飛び出そうとする。

「だめ、私が行く! 会いに行って頼む! 土下座だってする、何でもする……牛馬みたいに働けって言うならそうする! だから、うちの子を助けてって……!」

「待て!」

沈村芳明が低く怒鳴り、彼女の手首を乱暴に掴んだ。

「今行って何になる。あいつは今、頭に血...

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