第27章 山崎の母激怒

病院、病室のドアは固く閉ざされていた。

山崎琛は救急車で運ばれる途中ですでに目を覚ましていたが、体中の傷が多すぎて恐ろしい状態だった。今はすでに創傷処置中だった。

松本月は外で焦りながら待っていたが、山崎の母が駆けつけると、彼女はつらそうに声を上げて泣き始めた。

「おばさん、やっと来てくださったわ。琛さんが松本渚をかばって、どんな目に遭わされたか、想像もできないわ!」

山崎さんは病室の外に広がる凄惨な血痕を見下ろし、部下から送られてきた現場写真を思い出すと、怒りで全身が震えた。

「どういうこと?なぜあの松本渚をかばったりするの?」

あのショッピングモールは山崎家の株式を持っている...

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