第51章 彼女を誘惑する

「好き?」松本渚が顔を上げて微笑むと、突然彼女は振りほどいて攻撃を仕掛け始めた!

彼女の拳が風を切って迫り、容赦なく男の体を狙って打ち込んでくる。

最初は大したことないと思い、小さく腕を上げて軽くかわしたが、彼女の一撃に半歩後退させられ、即座に驚きを隠せなかった。

この少女は、想像以上に強かった。ますます面白くなってきた。

藤原時も真剣になり、松本渚の攻撃の動きはどんどん速くなり、二人はこうして打ち合いを始めた。

三十分後、ようやく勝負が終わった。藤原時は額の汗を拭いながら、息を切らしている松本渚を見て、唇を緩めて微笑んだ。

「引き分けだな。これ以上やっても意味がない」

松本渚...

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