第54章 会議室の争奪

時々松本渚は不思議に思うことがある。この老いぼれは一体どこからそんな自信を持ってくるのだろうか。

彼女はそんな愚か者に構う気もなく、準備しておいた資料を手に取り、そのまま隣の大会議室へと足を向けた。

ドアを開けようとした決定的な瞬間、一本の腕が横から伸び、彼女を強引に外に押しとどめた。

書類を抱えたスーツ姿の高橋部長が、笑いながら松本渚を押しのけた。

「松本さん、朝の会議室は元々混んでるんだ。君たちのような小さな会議なら、オフィスに戻って解決できないのかい?私たちは会社で最も稼ぎのある即席食品を担当しているんだ。どうして私たちと会議室を奪い合うんだい?」

松本渚はすでにドア前で待機...

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