第6章
西村成実視点
先週が人生の転機だったとしたら、今週はまさに天国と地獄を往復するジェットコースターのようだった。
月曜の朝。デスクについて一息ついた途端、スマホが鳴った。
「おはよう、成実ちゃん」受話器の向こうから、剛さんの温かい声が聞こえてきた。「今夜、新しくオープンするギャラリーがあるんだけど、一緒にどうかな?」
私は健太のオフィスをこっそり窺った。彼は会議中で忙しそうだ。
「いいですね、私――」
「成実」
背後から、氷のように冷たい声がした。
私は一瞬で凍りつき、ゆっくりと振り返った。そこには健太が立っていた。彼の瞳は私のスマホに釘付けになり、その表情は嵐雲のよ...
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チャプター
1. 第1章
2. 第2章
3. 第3章
4. 第4章
5. 第5章
6. 第6章

7. 第7章

8. 第8章

9. 第9章

10. 第10章

11. 第11章


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