第12章 鎖骨の赤み

葛城彰人は空っぽになった画面を見て、フンと鼻を鳴らすとスマホをコーヒーテーブルに放り投げた。

上等じゃないか。今や俺のメッセージに返信する気も失せたというわけか?

彼の脳裏に綾辻詩織の意地っ張りな顔が浮かび、口元の嘲りが一層深まる。

少し優しくしてやれば、すぐこれだ。つけあがりやがって。

離婚だと?

こっちが切り出す前によくも言えたものだ。

この世で俺以外に、誰が口の利けない女を相手にするというのだ?

綾辻華蓮が果物の乗った皿を手にやってきて、葛城彰人の隣に、近すぎず遠すぎない距離を保って腰を下ろした。

「彰人さん、お姉様はなんて?まだあなたと離婚するって言ってるの?」

彼女...

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