第25章 盛大な儀式

綾辻詩織は、穴だらけになった自分の心が慰められ、一瞬、痛みさえも消え去ったかのように感じた。

「ありがとう、晶ちゃん」

彼女は晶ちゃんのふわふわした小さな頭を撫で、相手が自分の手を握るのに任せ、外へと連れ出されていく。

晶ちゃんは綾辻詩織を隣の部屋のドアの前まで引っ張っていくと、ぴたりと足を止め、それ以上進もうとしなかった。

それどころか、綾辻詩織に自分でドアを開けるよう促している。

綾辻詩織の目に一瞬の戸惑いがよぎり、ドアノブを握る。たいして力を入れずとも、ドアは開いた。

パンッ! クラッカーが弾ける音。

その音と共に、色とりどりのリボンが頭上から弾け、ひらひらと舞い落ちてくる...

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