第26章 他の男と一緒に寝るのが待ちきれない

望月芳恵は綾辻華蓮の言葉を聞いても、顔の笑みを微塵も変えなかった。ただ、席に着くと、アポイントメントのない者が会社に出入りする際に記入する登記簿を、綾辻華蓮の目の前に『パンッ』と置いた。

それからゆっくりとした口調で高槻樹に言った。「高槻特別補佐、彼女に登記させるのを忘れないで。私は先に会議に行くから」

高槻樹は一瞬で冷や汗をかいた。心の中で叫ぶ。こいつもとんでもないご先祖様だ!

彼は綾辻華蓮が今にもキレそうなのを見て、慌てて登記簿を閉じ、顔にはさらに愛想の良い笑みを浮かべた。「綾辻さん、おっしゃる通りです。これらの件はすべて社長に報告し、厳正に対処させますので!」

対処するわけがある...

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